沖縄に行きたい。
この時期になると、特に。
6年前の1月末。
島に渡ったばかりの頃、
世界は静かにざわつき始めていた。
観光客の姿は消え、
沖縄は、驚くほど静かだった。
車も人も少なくて、
海はいつもより広く見えた。
時間はゆったりと流れ、
ただ暮らすということが
こんなにも贅沢なのだと知った。
あの頃の海の色を、今も覚えている。
そして沖縄は、
主人が最期を迎えた場所になった。
時々、こんなことを考える。
人は生まれる前に
自分の人生を決めてくるというけれど。
わたしは、
あの人が最期を迎えるその場所へ
導く役割を持って生まれてきたのだろうか、と。
良いような、悪いような。
答えは出ない。
哀しい思い出ができてしまったのに、
それでも沖縄が恋しい。
きっと、
あの土地に置いてきたのが
涙よりも、
愛のほうが多かったから。
わたしにも、
いつか終わりは訪れる。
そのときは、
同じ沖縄がいい。
あの海の近くで。
風の匂いを知っている場所で。

